右上5番の歯髄壊死に伴う大きな根尖病変に対する治療その①:矯正治療前の根管治療(イニシャルトリートメント)
治療症例の内容
- 診療科目
- 治療カテゴリー
- 担当医
- 林佳士登(ドクタープロフィール)
- 患者様
- 年齢性別秘匿
- 治療期間
- 治療計画
- 矯正治療前の口腔内検査により、右上5,6番付近の歯肉より膿が出てきているとのことで、矯正医より精査・加療を依頼されたケースです。
術前の写真にて、かなり大きな歯ぐきの腫れが確認できます。部位は右上5,6番の中間あたりになります。
ガッタパーチャを膿の出口に差し込んだところ、右上5番の根尖付近に到達し、歯髄の診査でも歯髄壊死が確認できました。
このままでは矯正治療を行うことはできませんので、この根尖病変の問題解決を図る必要があります。
おすすめの治療法は精密根管治療となること、このケースでは術前に根尖部に透過像があるために、ない場合と比べて治療の成功率がやや下がってしまうこと、治癒しない場合には外科的治療となることを説明させて頂き、治療を行っていくことになりました。
- 費用(概算)
- 10万円費用は治療当時の料金となります
治療について
詰められていた金属の詰め物(インレー)とセメントを除去したところ、歯髄腔との交通が見られ(術中写真2枚目)、昔の虫歯治療の際にすでにかなりの深い虫歯であったことが推測されました。
治療により、症状は改善(瘻孔の消失:術後写真1枚目)しましたので、斬間的な補綴の後に、矯正治療へ進んでいただくこととなりました。
治療に関するリスクと副作用等の情報
根管治療は非常に成功率の高い治療ですが、治療の成否を決める多くの要素があるため、根管治療がなされた後も再治療、外科処置、抜歯などの処置をしなくてはならなくなることもあります。 根管治療中には、器具の破折、穿孔、修復物の損傷、歯の破折、術中・術後の不快症状、術後の痛みや腫脹などの事象が稀ではありますが起こりうることがあります。